ズニケラトプスとは
学名(属名) | Zuniceratops |
名前の意味 | ズーニ族の角のある顔 Zuni(ズーニ族)[民族]-keras(角)[ギリシャ語]-ops(顔)[ギリシャ語] |
分類 | 鳥盤目・周飾頭類 (周飾頭亜目・角竜下目・ケラトプス上科) |
全長 | 約3m |
食性 | 植物食 |
生息時期 | 白亜紀後期(約9100万年前) |
下分類・種名 | Zuniceratops christopheri |
論文記載年 | 1998 |
記載論文 | Zuniceratops christopheri n. gen. & n. sp., a ceratopsian dinosaur from the Moreno Hill Formation (Cretaceous, Turonian) of west-central New Mexico. Lower and Middle Cretaceous Terrestrial Ecosystems, New Mexico Museum of Natural History and Science Bulletin. 24. by Wolfe, D.G. & Kirkland, J.I. 1998. |
特徴:移行期の「ミッシングリンク」
ズニケラトプスの発見は、角竜の進化史における大きな空白を埋める、まさに「ミッシングリンク」の発見でした。その体には、原始的な祖先と、後の時代に進化した子孫の両方の特徴が混在しています。
史上初の「眉上の角」

ズニケラトプスは、目の上に一対の角(上眼窩角)を持った、史上最古の角竜です。この特徴は、後の時代のカスモサウルスやトリケラトプスへと受け継がれていく、ケラトプス科の象徴的な形質の始まりでした。
一方で、ズニケラトプスには原始的な特徴も多く残っていました。
- 鼻の角がない:後の多くのケラトプス科とは異なり、鼻の上には角がありませんでした。
- 単根歯(たんこんし):歯の根が一本しかありませんでした。後のケラトプス科は、より効率的に植物をすり潰せるよう、二本の歯根を持つ「二重根歯」へと進化させていきます。
- シンプルなフリル:フリルには大きな穴(窓)が開いていましたが、スティラコサウルスのような派手な装飾はありませんでした。
これらの特徴は、ズニケラトプスが、アジアからやってきた祖先と、北米で大繁栄を遂げる子孫たちを繋ぐ、進化の重要な十字路に立っていたことを示しています。
「When Dinosaurs Roamed America」(邦題:恐竜再生)に登場

ズニケラトプスの発見は、1996年、当時わずか8歳だったクリストファー・ウルフ君(古生物学者ダグラス・ウルフ氏の息子)によるものでした。彼が発見した一本の骨が、角竜の進化の歴史を大きく塗り替える、この重要な恐竜の発見へと繋がったのです。種小名の"christopheri"は、彼の名誉を称えて名付けられました。
アメリカのドキュメンタリー番組チャンネル"ディスカバリーチャンネル"で、2004年に放送された「When Dinosaurs Roamed America」(邦題:恐竜再生)にも登場した恐竜です。
ズニケラトプスの切手・化石ギャラリー

