トゥオジャンゴサウルスとは
| 学名(属名) | Tuojiangosaurus |
| 名前の意味 |
沱江(中国の河)のトカゲ
Tuojiang(沱江)[地名]-saurus(トカゲ)[ギリシャ語] |
| 分類 | 鳥盤目・装盾類 (装盾亜目・剣竜下目・ステゴサウルス科) |
| 全長 | 約6.5m〜7m |
| 食性 | 植物食 |
| 生息時期 | ジュラ紀後期(約1億6000万年前) |
| 下分類・種名 | Tuojiangosaurus multispinus |
| 論文記載年 | 1977 |
| 記載論文 |
On the stegosaurian remains from Zigong (Tzekung), Szechuan province.
Vertebrata PalAsiatica 15. by Z. Dong, X. Li, S. Zhou and Y. Zhang. 1977. |
トゥオジャンゴサウルス :アジア最大級の剣竜
トゥオジャンゴサウルスは、1974年に中国の四川省で発見された、アジアを代表する植物食の剣竜です。全長は約6.5メートルから7メートル、体重は2.8トンから4トンに達したと推定されており、アジアで発見されたジュラ紀のステゴサウルスの仲間としては最大級の大きさを誇ります。
前脚が後脚に比べて極端に短いため、体全体が前傾し、頭はかなり低い位置にありました。そのため、トゥオジャンゴサウルスは地表近くに生えているシダ植物などを食べていたと考えられています。
また、口の先にある前上顎骨(ぜんじょうがくこつ)には歯がなく、角質の「くちばし」になっていました。これで植物を効率よく切り取り、口の奥にすり潰すための葉のような形の歯が並んでいました。
同じ地域に住む複数の動物が、食べるエサの種類や高さ、活動する時間をずらすことで、不要な競争を避けて共存する仕組みのことです。トゥオジャンゴサウルスは、他の大型植物食恐竜とニッチを分けて繁栄しました。
背中の骨板と強力な尾のスパイク
トゥオジャンゴサウルスの背中には、少なくとも15から17対の骨板(プレート)が、首から腰にかけて2列に並んでいました。北米のステゴサウルスが持つ幅の広い五角形のプレートとは異なり、トゥオジャンゴサウルスのプレートはより低く、狭い三角形で、先端が鋭く尖っていたのが特徴です。
また、ステゴサウルスが背骨に沿って左右交互(千鳥状)に骨板を配置していたのに対し、本種の骨板は左右対称(平行)に並んでいたと考えられています。これらの骨板の表面には血管が発達していた跡があり、体温調節や、仲間にアピールするためのディスプレイとして使われていたと考えられています。
尾の先には、ほぼすべての剣竜が持つ強力な防御兵器である鋭い骨のスパイクが、少なくとも2対(4本)、あるいは4対(8本)突き出ていました。ヤンチュアノサウルスやシンラプトルのような大型の肉食恐竜が襲ってきた際には、短い前脚を軸にして体を素早く旋回させ、この重い尾を振り回して身を守ることができました。
肩のトゲは幻だった
現在は、肩のトゲは存在しないと考えられています。
かつて、トゥオジャンゴサウルスの復元図や骨格モデルには、アフリカのケントロサウルスのように肩から突き出る巨大なスパイク(副肩甲棘)が描かれることがよくありました。テレビ番組や図鑑でも、この「肩のトゲ」は長年トレードマークのように扱われてきました。
しかし、2006年,2008年の再調査により、衝撃の事実が判明しました。実は、トゥオジャンゴサウルスの発掘現場から、肩のトゲに該当する化石は発見されていなかったのです。
過去の復元は、「他の古いステゴサウルスの仲間にトゲがあるから、この恐竜にもあるはずだ」という推測や、別の骨の破片を勘違いして付け足されたものでした。現在では、トゥオジャンゴサウルスには肩のトゲは存在せず、北米のステゴサウルスのように肩周りはスッキリとした姿であったと結論付けられています。
トゥオジャンゴサウルスと同じ時代に生きていた小型のステゴサウルス類「チュンキンゴサウルス(Chungkingosaurus)」が、「トゥオジャンゴサウルスの子どもではないか?」と議論されたことがありましたが、現在では骨格の特徴から別々の種類(属)だと考えられています。
by Gemini.
トゥオジャンゴサウルスの切手・化石ギャラリー