恐竜のしっぽ

恐竜の子育て

Parenting of dinosaurs
お勉強 / 恐竜のしっぽ
 

卵を抱いた親と巣

オビラプトル類(シチパチ)の卵を抱いた状態の化石

モンゴルでは、獣脚類のオビラプトル(オヴィラプトル)類が卵を抱いた状態で発見されています。
2008年、「オヴィラプトルはオス(父親)が卵を温めていた可能性が高い」との調査結果が発表されました。出産経験の無い個体が抱卵していた形跡が見つかったのです。 現生の鳥類にも、父親であるオスが卵を温める習性をもつものがいます。 一部の恐竜では、既にオスが抱卵する習性を獲得していた種がいたようです。

2017年、オヴィラプトル類の卵殻についての研究結果が発表されています。それによると、ビリベルジン(biliverdin)とプロトポルフィリン(protoporphyrin)Ⅸという2種類の色素が卵殻から発見され、これらの色素から 発見されたオヴィラプトル類の卵殻は緑青色だったことがわかりました。卵の有色や模様は周囲とのカモフラージュの役割を果たしていると考えられており、地中や植物に埋められる卵ではありません。つまり、オヴィラプトル類の卵に色がついていたことは、地熱や発酵熱を利用したものではなく 親が抱卵して温めていたことを示唆するものです。

 

2002年には中国遼寧省で角竜プシッタコサウルスの巣が見つかっています。
大人1体と子供34体の化石が一緒に見つかりました。幼体の平均全長は23cmで、親と思われる成体の全長は1m以上と推定されています。
大人と子供が集団生活を送っていたことが伺えます。

プシッタコサウルスの巣化石

マイアサウラ - 良い母親トカゲ

マイアサウラの親子

初めて、子育てをした可能性を示唆した恐竜がマイアサウラでした。

体長1m未満のマイアサウラの幼体化石を調べると、歩けるほどには脚が発達していないことがわかりました。 歩けないほど幼い個体の歯が既に摩耗していたことは、巣の中にいても硬い葉(エサ)を食べることができたことを示しています。
そのため、マイアサウラの親が子供のためにエサを運んだのではないか、と考えられています。 属名のマイアサウラ(Maiasaura)は、"良い母親トカゲ"の意味です。

また、イタリアで発見された生後数日のスキピオニクス(白亜紀前期の小型獣脚類)の胃には、体長15-40cmのトカゲの化石が残っていました。
付近から親と思われる成体の化石は見つかっていませんが、産まれたばかりの幼体が自分で捕ったものとは考えにくく、親による世話があったことを連想させます。

すべての属・種で子育てをしたかは不明ですが、一部の恐竜は卵を温めたり 子育てをする習性があったようです。

 

関連ページ

マイアサウラ - 図鑑
オビラプトル(オヴィラプトル) - 図鑑

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