ミクロラプトル

Microraptor

ミクロラプトル化石


イントロダクション

ミクロラプトルの全身骨格化石

全身骨格化石(2015年撮影)

1999年、世界的な写真誌"ナショナルジオグラフィックス"の表紙を飾ったことから一躍有名になった羽毛恐竜です。
"アルカエオラプトル・リアオニンゲンシス"と命名されて新種恐竜として掲載されましたが、のちに2種類の別種化石が誤って復元されたものであることがわかり、 2000年"ミクロラプトル・ザオイアヌス"として再定義されました。


特徴

ミクロラプトルは、白亜紀前期(約1億2000万年前)に生息した、鳥類に近いドロマエオサウルス科の恐竜です。大きさはカラス程度しかありません。 ミクロラプトルの最大の特徴は、4肢すべてに飛ぶための羽毛・羽根を持っていることです。

この翼を使って、ムササビのように木の上から滑空したのか、現生のスズメや鳩のように地上からはばたき飛んだのかは分かっていませんが、 胸骨が大きく、力強く翼を動かせたことは推測できます。昆虫などを捕食していました。

ミクロラプトル・グイの全身骨格化石

ミクロラプトル・グイの全身骨格化石(2004年撮影)

ミクロラプトル・グイの切手

ミクロラプトル・グイの切手

爪は鋭く湾曲していて、枝をつかみやすい形状に変化したものだと考えられています。
論争に決着していませんが、樹上で生活をした可能性もあります。

色素であるメラノソーム組織が保存されていた標本から、ミクロラプトルの羽毛が光沢のある黒色-光を干渉する玉虫色であったことがわかっています。
この羽毛色の知見は、ミクロラプトルが日中に活動していたことを示唆しています。玉虫色の羽毛をもつ現生鳥類が、主に日中帯に活動するからです。 かつては、眼窩(目の入っていた窪み)が大きい特徴から夜行性と考えられていましたが否定されつつあります。


後脚の翼と謎

ミクロラプトルの全身骨格化石

全身骨格化石(2004年撮影)

現生の鳥の多くは、前脚に翼をもっていますが後脚に翼はありません。ところが、ミクロラプトルは前脚だけでなく、後脚にも<飛行用の翼>を持っていたのです。
物理的には、後脚の翼は浮き上がるための揚力よりも抵抗のほうが大きくなるため、その用途は謎でした。

2012年、その謎に迫る説が提唱されています。「急旋回するために、後脚の翼が使われていた可能性がある」とのことです。

ミクロラプトルの記載論文抜粋(2000年)

ミクロラプトルの記載論文抜粋(2000年)
出典:The smallest known non-avian theropod dinosaur.
Nature, 408
by 徐星(Xu, X.), 陈哲(Zhou, Z.), Wang, X. 2000.


ミクロラプトルの切手・化石

ミクロラプトルの全身骨格

全身骨格(2012年撮影)


ミクロラプトルの基本データ

学名(属名) Microraptor
名前の意味 とても小さい泥棒
mikros(小さな)[ギリシャ語]-raptor(泥棒)[ラテン語]
分類(分岐分類) 竜盤目・獣脚類(獣脚亜目・テタヌラ下目)
全長 約80cm
食性 肉食
生息時期 白亜紀前期(約1億2000万年前)
下分類・種名 Microraptor zhaoianus
Microraptor gui
Microraptor hanqingi
論文記載年 2000
属名の記載論文 The smallest known non-avian theropod dinosaur.
Nature, 408
by 徐星(Xu, X.), 陈哲(Zhou, Z.), Wang, X. 2000.

 
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