フクイラプトル

フクイラプトル

Fukuiraptor

フクイラプトルとは

学名(属名) Fukuiraptor
名前の意味 福井(地名)の泥棒
Fukui(福井)[地名]-raptor(泥棒、略奪者)[ラテン語]
分類 竜盤目・獣脚類 (アロサウルス上科・メガラプトル類)
全長 約4m
食性 肉食
生息時期 白亜紀前期
下分類・種名 Fukuiraptor kitadaniensis
論文記載年 2000
属名の記載論文 A new carnosaur (Dinosauria: Theropoda) from the Lower Cretaceous of Japan.
Canadian Journal of Earth Sciences, 37.
by Azuma, Y. and Currie, P. J. 2000.

特徴:誤解された「ラプトル」

フクイラプトルの全身骨格化石
全身骨格化石(2008年撮影)

フクイラプトルは、日本で初めて全身骨格が復元された肉食恐竜です。その名前は発見地の「福井」と、「泥棒」を意味する「ラプトル」を組み合わせたものです。

発見当初、非常に大きなカギ爪が見つかったことから、研究者たちはこれをヴェロキラプトルのようなドロマエオサウルス科の恐竜が持つ「足」のシックルクロー(鎌爪)だと考えました。これが「ラプトル」と名付けられた理由です。

しかし、研究が進み、より多くの化石が見つかると、この巨大なカギ爪は足ではなく「手」の親指の爪であることが判明しました。これは、フクイラプトルがドロマエオサウルス科とは全く異なる、独自に進化した肉食恐竜のグループであることを示す決定的な証拠でした。

フクイラプトルの切手

この巨大な手の爪を持つグループは「メガラプトル類 (Megaraptora)」と呼ばれています。フクイラプトルは、アルゼンチンのメガラプトルやオーストラリアのアウストラロヴェナトルなど、南半球の恐竜たちと近縁だったのです。彼らは俊敏な体に、前あしに備えた巨大なカギ爪という恐ろしい武器を使い、獲物を捕らえていたと考えられています。

最初に発見された個体(ホロタイプ標本)の全長は約4.2mですが、これはまだ成長途中の亜成体でした。大人のフクイラプトルは、さらに大きく成長した可能性があります。

フクイラプトル(Fukuiraptor)のイラスト
フクイラプトルのイラスト

フクイラプトルの故郷:福井県立恐竜博物館

福井県立恐竜博物館
福井県立恐竜博物館

フクイラプトルの化石が発掘された福井県勝山市には、世界三大恐竜博物館の一つと称される「福井県立恐竜博物館」があります。

館内には、フクイラプトルの迫力ある全身骨格はもちろん、共に発見されたフクイサウルスやフクイティタンなど、「フクイ軍団」の恐竜たちが数多く展示されています。フクイラプトルの真の姿に会いに、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。

フクイラプトルの切手・化石ギャラリー