カンプトサウルス

カンプトサウルス

Camptosaurus

カンプトサウルスとは

学名(属名) Camptosaurus
名前の意味 曲がったトカゲ
kamptos(柔軟な、曲がった)[ギリシャ語]-saurus(トカゲ)[ギリシャ語]
分類 鳥盤目・鳥脚類 (鳥脚亜目・カンプトサウルス科)
全長 約5-7m
食性 植物食
生息時期 ジュラ紀後期 - 白亜紀前期
下分類・種名 Camptosaurus dispar
Camptosaurus aphanoecetes
Camptosaurus hoggii
Camptosaurus prestwichii
論文記載年 1885
属名の記載論文 Names of extinct reptiles.
American Journal of Science. 29
by Marsh, O.C. 1885.

特徴

カンプトサウルスの切手

カンプトサウルスは、北アメリカとヨーロッパのジュラ紀後期-白亜紀前期に生息した恐竜です。かつては、カンプトトゥスと呼ばれていました。
ヒプシロフォドンなどの原始的な鳥脚類から、イグアノドンなどへの進化過程にいた鳥脚類だと考えられています。

カンプトサウルスの切手

イグアノドンに似た体格をしていましたが、後足の指が4本あるなどの違いがあります(前足はイグアノドンと同じ5本指でした)。

カンプトサウルスの歯のふちには小さな突起があり、葉や茎を簡単にかみ切れたようです。大量の葉や小枝を消化するために大きな胃袋をもっていたため、胴体は太めでした。
アロサウルスやケラトサウルス、アパトサウルス、ステゴサウルスが闊歩していたジュラ紀後期を生き延びて、白亜紀前期まで広範囲に繁栄した属です。アパトサウルスのように大きな身体も持たず、ステゴサウルスのように防御するための武器も持たず、<逃げるが専門>のカンプトサウルスでした。

二足歩行?四足歩行?その生態に迫る

カマラサウルスの頭骨化石
カマラサウルス(Camarasaurus lentus)の頭骨化石

カンプトサウルスは、がっしりとした後肢と、それに比べてやや短い前肢を持っていました。このことから、普段は主に二足で歩き、食事の際など低い場所にある植物を食べるときには、前肢を地面について四足歩行になったと考えられています。

学名の元になった「曲がったトカゲ」という名前は、もともと仙骨(腰のあたりの骨)が曲がっているように見えたことに由来しますが、実際には体重を支えるために大腿骨が頑丈で、少し湾曲していました。このしっかりした脚で、アロサウルスのような大型の肉食恐竜から素早く逃げることができたのかもしれません。

イグアノドンとの違い:イグアノドンの親指には「スパイク」と呼ばれる鋭い爪がありましたが、カンプトサウルスの親指の爪はそれほど大きくなく、武器として使うには至らなかったようです。この点も、彼らが主に逃げることで身を守っていたとする説を裏付けています。

化石の発見

1879年9月、アメリカの化石コレクター ウィリアム・ リード(William Harlow Reed)はワイオミング州アルバニー郡で小さな鳥脚亜目の化石を発見します。
同じ年マーシュ(Othniel Charles Marsh)は仙骨と椎骨(標本番号YPM 1877)を発見しカンプトトゥス(Comptotus)と名前をつけますが、1885年にカンプトサウルス(Camptosaurus)に改名しました。Comptotusは、既に昆虫の種名として使われていたのです。

ヨーロッパでも、カンプトサウルスのものと考えられる化石が発見されています。
もともと1874年にイグアノドンの一種として記載されていた"イグアノドン・ホギィ(Iguanodon hoggii)"は、2002年カンプトサウルスに移されています。"Camptosaurus prestwichii"はイギリス・オックスフォードシャー郡で発掘された鳥脚亜目に属する恐竜です。これも1880年にはイグアノドンの一種として記載されていましたが、1889年にカンプトサウルスに分類し直されています。

カンプトサウルス(Camptosaurus)のイラスト
カンプトサウルス(Camptosaurus)のイラスト

カンプトサウルスの切手・化石ギャラリー