バクトロサウルス

バクトロサウルス

Bactrosaurus

バクトロサウルスとは

学名(属名) Bactrosaurus
名前の意味 棍棒のトカゲ
baktron(棍棒)[ギリシャ語]-saurus(トカゲ)[ギリシャ語]
分類 鳥盤目・鳥脚類 (鳥脚亜目・ハドロサウルス科)
全長 約4-6m
食性 植物食
生息時期 白亜紀後期
下分類・種名 Bactrosaurus johnsoni
論文記載年 1933
属名の記載論文 Gilmore, C.W. (1933). On the dinosaurian fauna of the Iren Dabasu Formation. American Museum of Natural History.

特徴、古病理学の分野でも注目される

バクトロサウルスの頭骨
バクトロサウルスの頭骨(2006年撮影)

バクトロサウルスは、白亜紀後期に中国とモンゴルに生息した鳥脚類です。

属名バクトロサウルスBactrosaurusは発見地の古い呼び方バクトリア地方に由来するものと思っていましたが、脊椎の一部分から大きな神経棘が突き出ていることから棍棒(baktron)に由来するそうです。外見上はイグアノドンに似ていますが、バクトロサウルスはハドロサウルス上科の中でも最も原始的なメンバーの一つとされています。
頭に特徴的なトサカを持つランベオサウルス亜科や、持たないハドロサウルス亜科が分化する前の、共通祖先に近い存在、あるいはその姉妹群であったと考えられています。そのため、ハドロサウルス類の初期進化を解き明かす上で、鍵となる重要な恐竜です。

現在では、"卵から孵化したばかりとみられる幼体"から"推定全長6mに及ぶ成体"まで、様々な年齢(成長段階)にあたる化石が発見されています。バクトロサウルスがどのように成長していったのかを研究するためのための貴重な材料となっています。
また、いくつかのバクトロサウルスの化石には、骨に腫瘍(良性腫瘍や血管腫など)が見つかっています。これは、恐竜にも現代の動物と同じような病気が存在したことを示す貴重な証拠です。どのような病気が恐竜たちの間に広がっていたのかを知る上で、重要な研究対象となっています。

バクトロサウルスの切手
バクトロサウルスの切手

記載論文

標本番号AMNH 6353バクトロサウルスの記載論文抜粋
バクトロサウルスの右顎デンタル(標本番号AMNH 6353)-記載論文抜粋(1933年)
出典:Gilmore, C.W. (1933). On the dinosaurian fauna of the Iren Dabasu Formation.

初めてバクトロサウルスが発見されたのは、中国ゴビ砂漠のIren Dabasu層からでした。1933年アメリカの古生物学者チャールズ・ギルモア(Charles W. Gilmore)が、新属新種として"Bactrosaurus johnsoni"を記載しました。

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