大絶滅展(BIG FIVE)メインビジュアル

訪問記:大絶滅展(BIG FIVE) at 国立科学博物館

コラム / 2026-02-01

それでも進化は続く。上野の国立科学博物館で開催中の特別展「大絶滅展―生命史のビッグファイブ」。40億年の生命史の中で起きた5回の大量絶滅(ビッグファイブ)を軸に、絶滅を乗り越えて繋がれてきた進化の軌跡を辿る、非常に壮大な展示です。

今回は、平日の13時30分頃にひとりで入場。最新の研究成果と圧倒的な標本群を堪能してきました。

大絶滅展 ペーパー
大絶滅展
国立科学博物館 特別展会場入り口
国立科学博物館 特別展会場入り口

展示構成:地球を襲った「5つの危機」を追体験

会場は中央の「大絶滅スフィア」を囲むように、6つのエピソードで構成されています。それぞれの時代で何が起き、何が生き残ったのかが鮮明に描かれています。

大絶滅展(東京) 会場マップ
大絶滅展(東京) 会場マップ
放射状に「ビック5」が展示されています

EPISODE 1 & 2:古生代の多様化と最初の壁

アノマロカリス
アノマロカリス
素早く泳ぎ、前部の付属肢で獲物を捕らえるハンターだっと考えられています

EPISODE 1(O-S境界):オルドビス紀-シルル紀。約4億4380万年前。
オルドビス紀の海の生物たちがターゲット。世界有数の産地であるモロッコでの最新発掘調査成果が公開されており、巨大な節足動物 エーギロカシスアノマロカリス の精巧な標本に目を奪われます。

EPISODE 2(F-F境界):デボン紀後期のフラニアン期-ファメニアン期の境界。約3億7220万年前。
陸上生態系が発展したデボン紀。ここで注目すべきは日本初公開の「最古の木の化石(ワッティエザ)」です。高さ8メートルにもなったという最古の高木植物の迫力は必見。

EPISODE 3:史上最大の絶滅「P-T境界」

古生代:ペルム紀と中生代:三畳紀の境界。約2億5200万年前、生命の9割以上が消えたとされる最大の悲劇。

会場には「溶岩流の実大模型」が出現し、シベリアで起きた大規模火山活動の恐怖を音と光で演出しています。その傍らには、哺乳類の祖先に近い ディメトロドンのレプリカが展示され、絶滅の淵で生き残った者たちの逞しさを伝えています。

EPISODE 4 & 5:恐竜の黄金時代と終焉

レドンダサウルス(三畳紀後期)とクリオロフォサウルス(ジュラ紀前期)
左:レドンダサウルス(三畳紀後期)と右:クリオロフォサウルス(ジュラ紀前期)

EPISODE 4(T-J境界): 三畳紀-ジュラ紀の境界。約2億130万年前。
レドンダサウルス(三畳紀後期に生息していた主竜形類)と南極で発見された肉食恐竜 クリオロフォサウルス(ジュラ紀前期に生息していた竜盤目-獣脚類) の全身骨格が2体並んで展示されており、大迫力のフォトスポットになっています。

EPISODE 5(K-Pg境界): 中生代白亜紀-新生代古第三紀の境界。約6600万年前。
ティラノサウルストリケラトプス に加え、アメリカのデンバー自然科学博物館から来日した、日本初公開の哺乳類化石 エクトコヌス なども非常に貴重な標本が展示されています。

EPISODE 6:そして現代へ(新生代)

目玉はなんといっても、世界初公開のステラーダイカイギュウ(世界最古の全身実物化石)。全長約6メートルの巨体は、新生代の海の豊かさと、その後の絶滅の哀しさを同時に物語っています。

1. 没入感を高める「大絶滅スフィア」

会場中央の「大絶滅スフィア」 は、生命が絶滅と進化を繰り返す様子を球体スクリーンに映し出します。

また、EP5にある 4K特別映像「白亜紀の怒り」は、最新のグラフィックで描かれた恐竜たちの最期が描かれ、思わず息を呑む臨場感です。

2. 福山雅治さんが導く「生命の物語」

本展のスペシャルナビゲーターは 福山雅治さん

音声ガイド(税込650円):
福山さんの落ち着いたナレーションが、40億年の旅をより深いものにしてくれます。配信期間中は繰り返し聴ける(再生回数無制限)アプリ配信版(800円)もあるので、会場外でも復習可能です。

第2会場の特別展示:
福山さんが世界各地で撮影した、絶滅の危機に瀕する動物たちの写真が展示されています。アーティストの視点から「今」を見つめ直す貴重な空間です。

3. 平日お昼間の混雑状況と楽しみ方

平日水曜日13:30頃の入場でしたが、館内は混んでいました。

クリアファイル:「すみっコぐらし」とのコラボグッズ
クリアファイル:「すみっコぐらし」とのコラボグッズ
  • 待ち時間: ゼロ。スムーズに入場できました。ただし、休日には整理券が配られるほどの人気展なので、平日に行かれることをお勧めします。
  • カメラ撮影: 基本的に 撮影OK。フラッシュ撮影はNGです。貴重な標本の写真が撮れるのは大きな魅力です。
    ただし、各標本の前には列ができており、「ゆっくり、好きな画角での撮影」は難しいかもしれません。
  • グッズ: ショップでは「すみっコぐらし」とのコラボグッズが人気です。アノマロカリスやステラーダイカイギュウの着ぐるみを着たすみっコたちのぬいぐるみは、おすすめです。

鑑賞を終えて:絶滅は「終わり」ではなく「バトン」

チラシにあった「それでも進化は続く。」という言葉が、鑑賞後には重みを持って響きます。
環境変化-大量絶滅のあとに、空き地を埋めるように新しい種が栄えてきたのです。
絶滅は悲劇ではありますが、それがなければ今の私たちは存在しません。

ぜひ、この壮大な物語を体感しに、「大絶滅展 生命史のビッグファイブ」へ足を運んでみてください。

【開催概要】

会期 2025年11月1日(土) 〜 2026年2月23日(月・祝)
会場 国立科学博物館(東京・上野公園)
開館時間 9:00〜17:00(入場は16:30まで)
休館日 月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、年末年始など
巡回予定 2026年3月20日(金・祝)~2026年6月14日(日)に愛知・名古屋市科学館、2026年7月17日(金)~10月12日(月・祝)に大阪・大阪市立自然史博物館でも開催予定
公式サイト https://daizetsumetsu.jp/