メガロサウルス

メガロサウルス

Megalosaurus

メガロサウルスとは

学名(属名) Megalosaurus
名前の意味 大きなトカゲ
megalos(大きな)[ギリシャ語]-saurus(トカゲ)[ギリシャ語]
分類 竜盤目・獣脚類 (メガロサウルス科)
全長 約9m
食性 肉食
生息時期 ジュラ紀中期
下分類・種名 Megalosaurus bucklandii (模式種)
論文記載年 1824
属名の記載論文 Notice on the Megalosaurus or great Fossil Lizard of Stonesfield.
Transactions of the Geological Society of London. 2. 1.
by William Buckland. 1824.

特徴:ジュラ紀中期の頂点捕食者

近年の再研究により、メガロサウルスのより具体的な姿が明らかになってきました。全長は約9mに達し、体重は1.5トンを超えた、ジュラ紀中期のヨーロッパにおける頂点捕食者だったと考えられています。

メガロサウルスの切手

メガロサウルスは、アロサウルスのような軽快なハンターというよりは、非常にがっしりとした、筋肉質な体型をしていました。特に下顎は頑丈で、強力な顎の力で獲物に致命傷を与えたと推測されます。

また、ティラノサウルスのように退化しておらず、比較的長くて強力な3本指の前あしを持っており、獲物を捕らえる際にも重要な役割を果たしたと考えられています。メガロサウルスは、その時代の生態系において、まさに「偉大なトカゲ」の名にふさわしい存在だったのです。

メガロサウルス(Megalosaurus)
メガロサウルス(Megalosaurus)
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世界で初めて名づけられた恐竜

科学文献として初めて記録の残っている恐竜の化石は、1676年イギリス・オックスフォードシャー州のストーンズフィールド石灰岩採石場Taynton Limestone Formationから発掘されたものです。 同年、オックスフォード大学の化学専攻教授だったロバート・プロット(Robert Plot)は、この化石のイラストレーションを公開しました。 ロバート・プロット自身は象の大腿骨と考えたそうですが、現在メガロサウルスの大腿骨の一部と考えられています。

メガロサウルスの下顎化石
メガロサウルスの下顎化石(2005年撮影)

1797年、医師だったクリストファー・ペゲ卿(Christopher Pegge)は、同じストーンズフィールド石灰岩採石場で、肉食動物の下顎化石を発見しました。 キリスト教会解剖学学校のコレクションを経由して、オックスフォード大学地質学教授 兼 キリスト教会の学長だったウィリアム・バックランド(William Buckland)がこの化石を取得します。
バックランドは初めどのような動物のものか見当がつきませんでしたが、1818年フランスの比較解剖学者ジョージ・キュビエ(Georges Cuvier)が彼のもとを訪れ、「巨大なトカゲのようなもの」であることを提言します。 1824年2月に開催されたロンドン地質学会で、バックランドは正式に 「メガロサウルス」 と名付けて発表します。世界で初めて名づけられた恐竜となったのです。
(論文での記載はなかったものの、パーキンソン病の発見で有名な医師ジェームス・パーキンソン(James Parkinson)が、バックランド記載以前 1822年に"メガロサウルスMegalosaurus"という言葉を使っていたそうです)

1850年代、大英自然史博物館監修によって復元模型が造られました。このときのメガロサウルスは、トカゲのような4足歩行で復元されています。 このころの復元では、現在推定されているよりも大きな動物だったと考えれていました。 メガロサウルスが2足歩行で復元されるのは、1870年代-北米で2足歩行の獣脚類(肉食恐竜)が発見され始めたころです。

長い間メガロサウルスはアロサウルス上科に分類されていましたが、近年再分類する動きがありメガロサウルス科を創設、そこに移動されています。

メガロサウルスの記載論文(1824年)
メガロサウルスの右下顎化石(標本番号OUM J13505)スケッチ-記載論文抜粋(1824年)
出典:Notice on the Megalosaurus or great Fossil Lizard of Stonesfield.
Transactions of the Geological Society of London. 2. 1.
by William Buckland. 1824.

メガロサウルスの切手・化石ギャラリー