グアンロンとは
学名(属名) | Guanlong |
名前の意味 | 冠の竜 Guan(冠)[中国語]-long(竜)[中国語] |
分類 | 竜盤目・獣脚類 (獣脚亜目テタヌラ下目ティラノサウルス上科) |
全長 | 約3m |
食性 | 肉食 |
生息時期 | ジュラ紀後期 |
下分類・種名 | Guanlong wucaii |
論文記載年 | 2006 |
特徴

グアンロンの最大の特徴は、学名の由来にもなった、頭の上にある大きく発達したトサカ(冠)です。このトサカは非常に薄い骨でできており、内部は空洞でした。そのため武器や防具にはならず、仲間を見分けたり、異性にアピールしたりするためのディスプレイだったと考えられています。
また、化石に直接の証拠はありませんが、近縁で少し後の時代に生きたディロン(Dilong)に原始的な羽毛(原羽毛)の痕跡が見つかっていることから、グアンロンも体をダウンジャケットのようなふわふわ羽毛で覆われていたことが確実視されています。
中国で発見されたジュラ紀後期の獣脚類ですが、北米の暴君ティラノサウルスの直系祖先と推定されています。

最古のティラノサウルス類
グアンロンは、中国のジュラ紀後期(約1億6000万年前)の地層から発見されました。2021年時点で見つかっている中では、最古のティラノサウルス類(科)です。

ここには、2体のグアンロンが埋まっていました。
この化石を詳しく調べたところ、下にいたのは12歳ほどの成熟した大人で、上にいたのは6歳ほどの若い個体であることが分かりました。泥沼のような場所に足を取られた子供を大人が助けようとしたのか、あるいは偶然同じ場所で時期をずらして命を落としたのか、様々な想像をかき立てられます。この場所は「恐竜の死の罠(Dinosaur Death Pit)」とも呼ばれています。
多くのティラノサウルス類は前脚が短く指が2本ですが、グアンロンは長い前脚と3本の指を持っていました。全長約3mと小柄ながら、歯や鋭い爪には後の時代の暴君の面影がすでに見て取れます。
ディロン(1億3000万年前の中国)、ラプトレックス(1億2500万年前の中国)なども含め、初期のティラノサウルス類(科)はアジアで進化して、やがて北米に拡散していったことがうかがえます。
グアンロンの切手・化石ギャラリー

