ディロフォサウルス

Dilophosaurus

ディロフォサウルス化石


イントロダクション

ディロフォサウルスの切手

1993年に公開された米映画「ジュラシック・パーク」に"スピッター"の名称で登場したディロフォサウルス。
映画の中では毒を吐く恐竜として登場していますが、実際に毒をもっていた証拠はみつかっていません。 威嚇のためのエリマキも描かれていましたが、おそらくエリマキも無かったでしょう。毒とエリマキは映画のなかのフィクション(根拠のない誇張)と考えるほうが良さそうです。


特徴

ディロフォサウルスの全身骨格化石

全身骨格化石(2004年撮影)

ジュラ紀前期のアメリカや中国に生息した肉食恐竜です。ディロフォサウルスは、ジュラ紀前期の獣脚類-肉食恐竜として大型化への傾向が見られた最初の属(種)でした。

頭頂部の2枚のトサカが特徴的です。

ディロフォサウルスの切手

ディロフォサウルスの全身骨格化石

全身骨格化石(2012年撮影)


頭上のトサカ

ディロフォサウルスの頭骨

頭骨化石(2004年撮影)

頭頂部の平たい骨質は、発見された当初には「化石になる過程で頭骨が潰れたもの」と考えられていました。
その後、状態の良い頭骨の化石が見つかり、それが 「潰れたものではなく、ディロフォサウルスの特徴となるトサカであること」が分かりました。

トサカ部分は薄くて弱いので武器や防具の用途ではなく、異性を惹きつけたり威嚇するための飾りとする説が有力です。


分類について

ディロフォサウルスの切手

所属する分岐分類については、様々な説があるようです。
コエロフィシス上科やカルノサウルス下目に加える説とテタヌラ下目とする説があります。 結論は、今後の研究成果を待つ必要がありそうです。


発見と論文記載

ディロフォサウルスの切手

1942年カリフォルニア大学古生物学博物館がアリゾナ州北部で脊椎動物の化石発掘調査を行った際、3つの恐竜化石を発見しました。 このうち1つは腐食が激しく持ち帰ることはできませんでしたが、2つの標本(標本番号UCMP 37302、UCMP 37303)を持ち帰り2年かけてクリーニングします。

1954年、化石発掘調査を行ったメンバーのひとりだったサミュエル・ウェルズ(Samuel P. Welles)は、既知の属だったメガロサウルスの一種(Megalosaurus wetherilli)と同定しました。頭上のとさか部分は頭骨左側の欠けた部分が延びたものと考えられ、四肢の比率がメガロサウルスのものに似ていたのです。
ところが、1964年以降保存状態の良い標本が発見され、とさかの骨質部が生前からその位置にあったことが明らかになり、標本(標本番号UCMP 37302、UCMP 37303と新たに見つかっていたUCMP 77270)が再調査されます。 改めて、メガロサウルスと調査対象の標本を比較が行われ、新しい属名が必要であるとの結論に至ります。

1970年、サミュエル・ウェルズは"2つのとさかをもつトカゲ"を意味するディロフォサウルス(Dilophosaurus)を記載します。


ディロフォサウルスの切手・化石

ディロフォサウルスの切手

ディロフォサウルスの切手


ディロフォサウルスの基本データ

学名(属名) Dilophosaurus
名前の意味 トサカが2つあるトカゲ
di(2つの)[ギリシャ語]-lophos(隆起)[ギリシャ語]-saurus(トカゲ)[ギリシャ語]
分類(分岐分類) 竜盤目・獣脚類 (獣脚亜目・テタヌラ下目)
竜盤目・獣脚類 (獣脚亜目・カルノサウルス下目)
竜盤目・獣脚類 (獣脚亜目・コエロフィシス上科)
全長 約6m
食性 肉食
生息時期 ジュラ紀前期
下分類・種名 Dilophosaurus breedorum
Dilophosaurus sinensis
Dilophosaurus wetherilli
論文記載年 1970
属名の記載論文 Dilophosaurus (Reptilia: Saurischia), a new name for a dinosaur.
Journal of Paleontology. 44.
by Samuel P. Welles. 1970.

 
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