アリオラムス

Alioramus

アリオラムスの化石


イントロダクション

アリオラムスの全身骨格化石

全身骨格化石(2016年撮影)

白亜紀後期モンゴルに生息したアリオラムスは、ティラノサウルス上科(類)に属すると考えられています。


特徴

アリオラムスの頭骨の長さは約45cm。タルボサウルスなどに比べて細長く、その鼻骨の上には5つの骨質突起(いずれも1cm以上)が確認できます。他のティラノサウルス類には無い特徴です。

アリオラムスの全身骨格化石

全身骨格化石(2012年撮影)

顎には他のティラノサウルス類より多い20の歯槽をもっていました。 大型のティラノサウルス類に見られるような歯骨後方の癒合や顎を強化する構造は無く、アリオラムスには獲物の骨をかみ砕くイメージはありません。

同時期のモンゴルには同じティラノサウルス類のタルボサウルスが生息しており、そのためアリオラムスをタルボサウルスの幼体・子供と考える学者もいます。 しかしながら、歯の数や鼻骨の隆起などタルボサウルスの幼体と異なる特徴をもち合わせており、他属とする考えが主流のようです。


米ソ冷戦の影響を受けて

1976年、ロシアの古生物学者セルゲイ・クルザノフKurzanovによってアリオラムスが記載されました。模式種Alioramus remotusです。
世界は米ソ冷戦の真っ只中。モンゴルからロシアに持ち帰られた標本を調査できた古生物学はほとんどいなかったことから、 アリオラムスが同じモンゴルに生息したタルボサウルスの幼体なのか、新たに発見された種なのかを確証することができませんでした。

アリオラムスのティラノサウルス類検証(2009)

アリオラムスの検証論文抜粋(2009年)
出典:A long-snouted, multihorned tyrannosaurid from the Late Cretaceous of Mongolia.
by Brusatte, Stephen L.; Carr, Thomas D.; Erickson, Gregory M.; Bever, Gabe S.; Norell, Mark A.
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America. 106, Oct. 2009.

アリオラムスが記載された約30年後、2000年代に、アメリカ自然史博物館が行ったモンゴルでの調査により、もっと保存状態の良い標本が発掘されます。 この標本は、2009年アリオラムスの新種Alioramus altaiと命名されました。
その後に発見されたキアンゾウサウルスの骨格化石との比較などにより、アリオラムスがアジアに生息していたティラノサウルス類であった確証を得ることができました。


アリオラムスの基本データ

学名(属名) Alioramus
名前の意味⁄語源 異なる枝
alius(異なる)[ラテン語]-rāmus(枝)[ラテン語]
分類(分岐分類) 竜盤目・獣脚類(獣脚亜目・テタヌラ類)
全長(大きさ) 約5-6m
食性 肉食
生息時期 白亜紀後期
下分類・種名 Alioramus remotus
Alioramus altai
論文記載年 1976
模式標本の記載論文 A new carnosaur from the Late Cretaceous of Nogon-Tsav, Mongolia.
The Joint Soviet-Mongolian Paleontological Expedition Transactions 3.
by Kurzanov, 1976.

 
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