ディメトロドンとは
学名(属名) | Dimetrodon |
名前の意味 | 2種類の長大な歯 |
分類 | 単弓綱・盤竜目・スフェナコドン科 |
全長 | 1.7 - 3.5m |
食性 | 肉食 |
生息時期 | ペルム紀前期 |
下分類・種名 | Dimetrodon angelensis Dimetrodon booneorum Dimetrodon giganhomogenes Dimetrodon grandis Dimetrodon limbatus Dimetrodon loomisi Dimetrodon macrospondylus Dimetrodon milleri Dimetrodon natalis Dimetrodon occidentalis Dimetrodon teutonis |
論文記載年 | 1878 |
属名の記載論文 | Descriptions of extinct Batrachia and Reptilia from the Permian formation of Texas. Proceedings of the American Philosophical Society. 17. by Cope, E.D. 1878. |
特徴

ディメトロドンの最大の特徴である背中の帆の役割については、長年議論が続いており、主に二つの有力な説があります。
- 体温調節説:伝統的な説で、帆に血液を流すことで、日光で体を温めたり、風に当てて体を冷やしたりするラジエーターとして機能したという考えです。これにより、変温動物であった彼らが、他の生物より早く活動を開始できた可能性があります。
- ディスプレイ説:近年、より有力視されているのが、仲間を見分けたり、異性に求愛したり、ライバルを威嚇したりするための「看板(ディスプレイ)」として使われたという説です。帆の大きさや形が種によって異なることは、この説を支持しています。
実際には、これらの両方の役割を兼ね備えていたかもしれません。
北アメリカとヨーロッパから産出しています。

恐竜じゃない! 哺乳類の遠い祖先
ディメトロドンは、恐竜図鑑の常連ですが、実は恐竜ではありません。彼らが絶滅したのは、最初の恐竜が地球に登場するよりも約4000万年も前のことです。
ディメトロドンは「単弓類(たんきゅうるい)」というグループに属しています。このグループは、後に哺乳類へと進化していく系統であり、ワニやトカゲ、そして恐竜を含む「双弓類」とは、生命の進化の系統樹の非常に早い段階で枝分かれしています。つまり、ディメトロドンはティラノサウルスやトリケラトプスよりも、私たち人間を含む哺乳類にはるかに近い親戚なのです。
ディメトロドンのもつ2種類の歯

アメリカ・オクラハマ州産
ディメトロドンの属名は、ラテン語で「2種類の長大な歯」の意味です。
属名のとおり、ディメトロドンは異歯性とよばれる資質をもっており2種類の歯で効率よく捕食することができました。
現生の肉食獣に見られる特徴-突き刺し用の犬歯と、肉を切り裂く用の歯をもっていたのです。この形質は、のちの哺乳類に引き継がれていきます。
この強力な歯と、体温を素早く上げることを可能にした帆のおかげで、ディメトロドンはペルム紀前期の生態系における頂点捕食者として君臨しました。彼らは、当時の両生類や、エダフォサウルスのような他の単弓類を捕食していたと考えられています。
研究初期

ディメトロドンは、1870年代アメリカの古生物学者エドワード・コープ(Edward Drinker Cope)によって研究されました。
スイスのJacob Bollやテキサスの地質学者WF Commins、アマチュア化石収集家Charles Hazelius Sternbergなど複数の化石コレクターから
テキサス州Red Beds層から産出した四足歩行の脊椎動物の化石を集め、アメリカ自然史博物館とウォーカー博物館に標本を移送して研究を始めます。
1878年、エドワード・コープによって、ペルム紀に生息したディメトロドン(Dimetrodon)属が記載されます。下位分類として3種が報告されています。
"Dimetrodon incisivus"、"Dimetrodon rectiformis"および"Dimetrodon gigas"です。
のち(1940年)に、1877年エドワード・コープによって記載された別属Clepsydropsが、実はディメトロドンの1種"D.limbatus"であったことがわかっています。
ディメトロドンの切手・化石ギャラリー


