カドセラスとは
学名(属名) | Cadoceras |
分類 | 頭足綱・アンモナイト亜綱・カルディオセラス科 |
生息時期 | ジュラ紀中期カロビアン期(1億6610万年前 - 1億6350万年前) |
下分類・種名 | Cadoceras tolype (模式種) Cadoceras elatinae Cadoceras pishmae Cadoceras sublaeve Cadoceras wosnessenskii etc... |
論文記載年 | 1882 |
特徴:ジュラ紀の「ものさし」
カドセラスは、ジュラ紀中期の海に生息したアンモナイトの一種です。そのユニークな形状と世界的な分布から、古生物学的に非常に重要な役割を果たしています。
のんびり屋の遊泳者?:殻の形が語る生態

ロシア-Uljanovsk産 2018年の国内ミネラルショーで購入
カドセラスの最大の特徴は、その球体に近い殻の形です。外側になるほど、殻の幅が広がっているのです。この丸い形は水の抵抗が大きいため、彼らは流線型のアンモナイトのように速く泳ぐことはできず、おそらくは海底近くをゆっくりと漂うように生活していたと考えられています。
また、成長に伴って殻の形が変化することも知られています。若い個体の殻は比較的平たい形をしていますが、成長するにつれてどんどん膨らんでいき、最終的に特徴的な球体へと変化します。
殻の口(住房)が非常に広いことから、大きな口器を持っていた可能性があり、海底の小動物などを捕食していたのかもしれません。
ジュラ紀の「ものさし」としての役割

ロシア産
カドセラスは、ジュラ紀中期の中でもカロビアン期(Callovian)と呼ばれる、ごく限られた時代にのみ、世界中の海で繁栄しました。そのため、地層からカドセラスの化石が見つかれば、その地層が「ジュラ紀中期のカロビアン期(1億6610万年前 - 1億6350万年前)」のものであると正確に特定することができます。このように、地層の年代を特定するための「ものさし」となる化石を示準(しじゅん)化石と呼び、カドセラスはその代表例の一つです。
ロシア産が有名ですが、カナダやドイツ、イギリスからも発見されています。
カドセラスの切手・化石ギャラリー




