恐竜のしっぽ

アンキオルニス

Anchiornis
図鑑 / 恐竜のしっぽ
 

アンキオルニスとは

学名(属名) Anchiornis
名前の意味 鳥に近いモノ
anchi(近い)[ギリシャ語]-ornis(鳥)[ギリシャ語]
分類 竜盤目・獣脚類 (獣脚亜目・アヴィアラエ科)
全長 約35-50cm
食性 肉食
生息時期 ジュラ紀後期
下分類・種名 Anchiornis huxleyi
論文記載年 2009
属名の記載論文 A new feathered maniraptoran dinosaur fossil that fills a morphological gap in avian origin.
by Xu, X; Zhao, Q.; Norell, M.; Sullivan, C.; Hone, D.; Erickson, G.; Wang, X.; Han, F.; Guo, Y. 2009.

特徴

全身骨格化石(2016年撮影)

アンキオルニスは、中国遼寧省のジュラ紀後期(約1億5500万年前)の地層から発見された恐竜です。 頭部を含む全身を羽毛で覆われていました。全長35-50cm、カラスほどの大きさです。

200を超える多くの保存状態の良い化石が発掘されており、2010年と2015年にアンキオルニスの全身の色について調査されています。 細胞内のメラニン色素を含む小胞の形や大きさ、密度と実際の羽の色との関係を29箇所についてまとめました。
からだ全体的に黒~濃い灰色、前肢と後肢の翼は白と黒のしま模様だったようです。また、頬には赤い斑点があり、頭上には赤い飾り毛があったことが分かっています。

前肢翼の先端には鋭い爪が残っています。おそらくこの爪を使って木を上り、ムササビのように滑空していたのではないでしょうか。

アンキオルニスの喉に残ったとかげや魚の骨-吐きもどし物(2019年撮影)

2018年に発見された標本は、アンキオルニスの喉や腹部にとかげや魚の骨が吐きもどし物(ペリット)として残った珍しいものでした。 アンキオルニスがこれらを獲物にしていたことを示すものですが、吐きもどし物-ペリット状として残っていたことは現生の鳥類にみられる行動「消化しにくいものを吐き出し、 飛行のために身体軽量化をはかる」習慣が身についていたことも示唆しています。

鳥類出現以前の恐竜

恐竜から鳥類が進化したことは現在広く受け容れられている定説となっていますが、2009年ごろまで矛盾が指摘されていました。
それは「最初期の鳥類が生息した時期よりも、古い時期の羽毛恐竜が発見されていなかった」ことです。 恐竜から鳥類に進化したのであれば、鳥類が出現した時期(約1億4600万年~1億4100万年前)よりも古い地層から、鳥類に近い恐竜の化石が見つかるはずです。 しかし、羽毛恐竜の化石が見つかるのは白亜紀中期以降(約1億1000万年前以降)のものばかりでした。これでは、羽毛恐竜が出現する前に鳥類が生息していたことになります。

その時期的な矛盾を解消したのが、2009年に発見されたアンキオルニスです。アンキオルニスは、鳥類出現以前-ジュラ紀後期(約1億5500万年前)に生息した羽毛をもつ恐竜だったのです。
鳥類出現より古い時期に生息した羽毛恐竜の発見によって、「恐竜から鳥類が進化したこと」はより説得力のある定説となりました。

 

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