恐竜のしっぽ

恐竜のいた時代は

Age of the dinosaurs
お勉強 / 恐竜のしっぽ
 

恐竜が登場する以前

古生代-石炭紀中期からペルム紀後期の間(約3億2000万年-2億6000万年前)、地球の気候は比較的寒冷だったようです。 中緯度(現在の日本がある位置)あたりまで、氷河が発達していた痕跡が残されていました。

古生代ペルム紀末期-2億5000万年前、大陸同士の衝突によって地球唯一の大陸(超大陸パンゲア)が形成されまます。
海から遠い陸地-内陸部ができたことで、地球上に乾燥地帯、特に、パンゲア大陸の低緯度(赤道付近)には砂漠が広がったことがわかっています。 季節の寒暖差が大きくなったようです。

三葉虫(ホプロリコイデス)の化石
古生代オルドビス紀に生息した三葉虫。

同時期に、それまで生息していた地球上の生物の90%以上の種が絶滅する事件が起きました。
大規模な火山活動で舞い上がった粉塵のため太陽の光をさえぎり寒くなったり、その後には発生した大量の二酸化炭素による温暖化があったようです。 また火山活動の中で発生したガスと酸素とが化学反応を起こし、酸素の量は減っていきました。 石炭紀末期~ペルム紀初期(約2億9900万年前-2億8000万年前)には30%ほどあった大気中酸素濃度が、 三畳紀初期(約2億5000万年前)には12%程度まで低下したことがわかっています

急激な気温の変化と酸素濃度の低下が、大量絶滅を引き起こしたと考えられています。
このとき、古生代の間に10,000種を超えるほど多様化し、繁栄してきた三葉虫等が絶滅しました。

 

大量絶滅と同時に古生代が終わり、中生代-三畳紀に移っていきます。
乾燥に適応した生物が生息地域を広げていくことになります。

恐竜の登場 - 三畳紀後期

低酸素状態だった2億3000万年前に、恐竜は姿を現します。地球が生まれて、約44億年後のことでした。
全長1mのエオラプトルやエオドロマエウスというような小型の2足歩行-恐竜が、現在の南米(アルゼンチン)から発見されています。 恐竜誕生の早い段階から、竜脚形類、獣脚類、鳥盤目の3グループがそれぞれ存在したこともわかっています。

エオラプトルの全身骨格化石

初めての恐竜が出現したころ、彼らは小さな存在でした。当時の地球上では、巨大なワニ系統の爬虫類が陸の王者として君臨していたのです。 特にラウイスクス類は全長8mを超える種もいて、全長1mしかない初期恐竜が優位にたてる相手ではありませんでした。 三畳紀後期の恐竜は、ワニ系統爬虫類の陰に隠れてひっそりと生息する存在だったようです。しかし、この小ささこそが次世代に命運をつなぐポイントになりました。

再度の大量絶滅とジュラ紀

2億800万年前、 彗星の破片が地球の広範囲に落下します。 カナダやフランスでこの跡が確認されています。
またこの時期、中央大西洋のマグマ帯で大規模な火山活動があったようです。
彗星の破片と火山活動により、多くの生物種が滅びてしまいます。恐竜が絶滅を免れたのは、「身体が小さかったから」だと考えられています。 身体が小さいため気候変動の影響を受けにくく、寿命が短く繁殖が早い-世代交代が早いために短期間で個体数を回復することができました。 三畳紀に食物連鎖の頂点にいた、巨大なワニ系統爬虫類のほとんどは絶滅してしまいます。 三畳紀が終わりを告げる瞬間、ジュラ紀の幕開けです。

シュノサウルスの全身骨格化石
ジュラ紀中期に栄えた竜脚形類。全長10mを超えました

陸上に残った恐竜たちは[ジュラ紀前期-中期]-怖かったワニ系統爬虫類がいなくなった世界で、種類を急激に増やしていくと同時に大型化していきます。

この頃、それまで1つだった大陸(パンゲア大陸)も分裂を始めました。北の大陸<ローラシア大陸>と南の大陸<ゴンドワナ大陸>が構成されます。
大陸が分断されて間に海洋が入ってきたことで、三畳紀に比べ季節性は薄れたようです。
ジュラ紀前期-中期の二酸化炭素濃度は現在の10倍ほどあり、地球全体が温室効果により温暖だったと考えられています。

 

アーケオプテリクス(始祖鳥)の平面全身骨格

羽毛をもつ恐竜であり原始的な鳥類-始祖鳥も、ジュラ紀中期(約1億5000万年前)に誕生しています。
ジュラ紀の代表的な恐竜としては、ステゴサウルス、アロサウルス、ディプロドクスなどがいます。

白亜紀へ 恐竜の繁栄

1億4500万年前、白亜紀へと移っていきます。大陸は更に分裂と移動を続け、地域ごとに様々な恐竜が進化していきます。

1億2000万年前には南太平洋で大規模海底火山帯による大噴火があり、一時的に"海洋低酸素事変"と呼ばれる状態が起こりました。 魚竜類や海生ワニ類と呼ばれる海棲爬虫類が絶滅した要因と考えられています。 海洋低酸素事変は発生から数万~100万年で終息し、魚竜がいなくなった海で首長竜やモササウルス類が繁栄していくことになります。

トリケラトプスの全身骨格化石

植物も進化していました。
ジュラ紀まではシダや針葉樹などの裸子植物しかありませんでしたが、白亜紀になると実のなる被子植物が現れました。 被子植物は栄養価が高く、植物食の動物にとっては効率的に必要なカロリーを摂取できます。被子植物の登場が、恐竜の進化に拍車をかけました。
角竜やヨロイ竜など、特徴的な姿の恐竜が発展したのがこの時期です。 白亜紀の代表的な恐竜には、ティラノサウルスやトリケラトプス、オビラプトル、スピノサウルス、イグアノドンがいます。

 

ミクロラプトル・グイの全身骨格
四肢に羽毛の跡がはっきり確認できます。

そして約6600万年前(*1)、恐竜は姿を消しました。メキシコ・ユカタン半島沖に落下した隕石とそれに伴う気候の変化が、絶滅の直接的な原因と考えられています。
中世代が終わり、新生代が始まります。一部の恐竜(獣脚類)はすでに飛翔能力をもつ鳥に進化しており、現在まで生き延びています。

(*1)かつて白亜紀(中生代)末と古第三紀(新生代)の境を"6550万年前"としていましたが、2013年の国際層序委員会発表で"6600万年前"に変更されています。 これは、2015年に惑星科学を専門とするポール・レニー教授が隕石の衝突時期を精密に計測した結果-"約6604万年(誤差±3万年)"とおおよそ合致しています。

地球の歴史からすると

地球46億年前の歴史を、下図に棒のスケールで表します。
それに比べれば、恐竜のいた時期も最近の出来事のようです。

地球の歴史(恐竜がいたのは・・・)

 

地球の歴史を1年(1月1日に地球誕生した)に例えると、

  • 3月5日、単細胞生物の誕生
  • 7月25日、多細胞生物の誕生
  • 11月22日、背骨のある魚(脊椎動物)の誕生
  • 12月13日、恐竜の誕生
  • 12月26日、恐竜の絶滅
  • 12月31日14時頃、原人の誕生

このようなスケールになります。

 

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