メソサウルス

メソサウルス

Mesosaurus

メソサウルスとは

学名(属名) Mesosaurus
名前の意味 中間のトカゲ
mesos(中間の)[ギリシャ語]-saurus(トカゲ)[ギリシャ語]
分類 竜弓類・中竜目・メソサウルス科
全長 40 - 100 cm
食性 肉食
生息時期 ペルム紀前期
下分類・種名 Mesosaurus tenuidens

特徴

メソサウルスの頭部化石
メソサウルスの頭部化石

メソサウルスは細長い頭部ももつ、ペルム紀前期(約2億9900万年-2億8000万年)に生息した水棲爬虫類です。メソサウルスの化石と一緒に見つかる堆積物などから、淡水(沼や湖)に生息していたと考えられてます。ただし2018年には、少ない時間であれば陸上での移動もできた可能性も示唆されています。

全長は最大で約1m。長く強力な尾と、水かきがあったと考えられる大きな後あしを使い、水中を巧みに泳いでいました。その骨は、現代のマナティーのように密度が高く重くなっており(骨硬化)、水中で浮力を抑えて安定性を保つための「重り」として機能していたと考えられます。

また、長く伸びた顎には、まるで櫛のように、無数の針のように細長い歯がびっしりと並んでいました。この歯は、小さな甲殻類などを捕らえるだけでなく、プランクトンのようなさらに小さな獲物を水ごと吸い込んで濾しとって食べる濾過食(ろかしょく)にも適していた可能性があります。

大陸移動説の「決定的証拠」

メソサウルスの化石は、南アメリカ大陸南部とアフリカ大陸南部の、現在では大西洋によって隔てられた両大陸でしか発見されていません。この事実は、アルフレート・ヴェーゲナーが提唱した「大陸移動説」の強力な証拠の一つとされています。

その最大の理由は、メソサウルスが淡水または汽水域の生き物であったという点です。全長1mほどの小さな爬虫類であった彼らが、広大な大西洋を泳いで渡ったとは到底考えられません。このことは、彼らが生きていたペルム紀には、南米とアフリカが地続きの一つの大陸(パンゲア大陸)であったことを強く示唆しているのです。

メソサウルスの化石は、まさに大陸がかつて一つであったことを示す証拠なのです。

卵胎生

メソサウルスの切手
メソサウルスの切手

ウルグアイとブラジルで、胚化石が発見されています。胚には堅い殻は覆われていません。メソサウルスは母親のお腹の中で孵化し、幼児の状態で産み出す「卵胎生」だったようです。

メソサウルスの切手・化石ギャラリー