ユーリプテルスとは
学名(属名) | Eurypterus |
名前の意味 | 広い翼(または、広いヒレ) eurys(広い)[ギリシャ語]-pteron(翼、ヒレ)[ギリシャ語] |
分類 | 節足動物門・鋏角亜門・ウミサソリ綱・ウミサソリ目 |
生息時期 | シルル紀(約4億3200万年-4億1800万年前) |
下分類・種名 | Eurypterus remipes Eurypterus clevelandi Eurypterus cestrotus Eurypterus boyliなど |
論文記載年 | 1825 |
特徴:シルル紀の浅瀬の支配者
ユーリプテルスは、シルル紀の海に生息した、ウミサソリを代表する属です。
ウミサソリ 大量死の謎

マイコレクション
ニューヨーク州やカナダ・オンタリオ州のシルル紀の地層からは、時に数千ものユーリプテルスの化石が一つの場所に密集して発見されます。これは、彼らが巨大な群れを形成していたことを示唆しています。
彼らがなぜ一緒に死んでしまったのか、その答えは生息地にあると考えられています。彼らが暮らしていたのは、外洋ではなく、塩分濃度が変化しやすい、浅い汽水域のラグーン(潟)でした。おそらく、交配などのために集まっていた群れが、巨大な嵐によって一斉に岸に打ち上げられ、そのまま化石になったのだろうと推測されています。
生態と体のつくり

茨城県自然博物館所蔵
体長は多くが15〜25cmですが、最大で1mに達する個体もいました。
最後部の脚は泳ぐためのヒレ(パドル)状に変化しており、これを漕いで水中を移動しました。水中で加速を得るには適していましたが、秒速3-4mほどで 決して速くはありません。他の脚は歩行に使われ、海底の三葉虫や小型の甲冑魚などを捕食していたと考えられています。
また、オスとメスで体の構造に違い(性的二形)があったことも分かっています。特にメスは、生殖器を守るための、より長く大きな蓋(生殖口蓋)を持っていました。
生息地 メインは浅瀬の海だけど・・・

群馬県立自然史博物館所蔵
1989年、ユーリプテルスの呼吸器系についての研究が行われました。
水中での生活に適したエラが主の呼吸器官となっていますが、補助的な呼吸器官であるKiemenplatten(現生のカニに似た補助的呼吸器)を備えていることがわかりました。
短時間であれば陸上を歩くことができたと結論づけています。
ユーリプテルスの切手・化石ギャラリー


