ティラノサウルス類の尾椎骨発見 -北海道芦別市蝦夷層群-

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北海道芦別市にまたがる白亜紀後期(約8630万年-8980万年前)の地層(蝦夷層群羽幌川層)から、ティラノサウルス上科(ティラノサウルス類)のものとみられる尾椎骨が発見されました。北海道大学総合博物館と三笠市立博物館の分析により、2016年にサメの歯化石を採集にきたアマチュアの化石愛好家小川英敏さんが発見した化石が、ティラノサウルス上科のものである可能性が高いことがわかったのです。89mmの標本でした。

北海道で見つかった尾椎骨化石
北海道で見つかった尾椎骨の化石-PRESS RELEASE抜粋
出典:北海道大学 PRESS RELEASE(2018/6/20)

同定には、外部形態比較とCTスキャンが行われました。
高さと長さの比率が0.63で長いことから、テリジノサウルス類とオヴィラプトロサウルス類が除外され、関節面の形態からオルニトミモサウルス類とも合致しません。ティラノサウルス上科(ティラノサウルス類)との比較において、これらがほぼ一致したのです。

今まで、日本国内の白亜紀後期の地層から発見されたティラノサウルス上科は4箇所で報告されています。約8630万年-8980万年前の地層としては福島県からもティラノサウルス上科のものとみられる化石が発見されており、この時期に南北に延びた同地域で、ティラノサウルス上科の獣脚類が生息していたようです。

出典元 - 北海道大学 PRESS RELEASE