ティラノサウルス

Tyrannosaurus

ティラノサウルス化石


イントロダクション

ティラノサウルスの全身骨格化石

ティラノサウルスの全身骨格化石(2009年撮影)

ティラノサウルスは大型肉食恐竜の代名詞と言ってもよいほど、最も有名な恐竜のひとつです。
ティラノサウルス属には、今のところ「レックス」一種しか見つかっていません。そのため、属名と種名を合わせた呼び方「ティラノサウルス-レックス(Tyrannosaurus-rex)」、「T-REX」の名称が定着しています。(「アジア・モンゴルのタルボサウルスをティラノサウルス属に含めるべき」と考える学者もいます)

また近年では、7-9メートル級のティラノサウルスと近縁の大型獣脚類からも羽毛の跡が見つかったことから、「ティラノサウルスに羽毛があった可能性」についても議論されるようになりました。


特徴

強靱な顎と鋭く大きな歯をもつティラノサウルスは、獲物となった動物の骨までかみ砕いたと考えられています。噛む力は数トンにも及びました。 歯は大きなもので30cmになります。歯のふちにはセレーション(鋸歯状)と呼ばれるステーキナイフのようなギザギザが付いていて、肉を引き裂きやすい構造になっていました。

手(前肢)は極端に短く、指は2本でした。短すぎる前肢(腕)の使い方はよく分かっていませんが、2017年には「噛みついた後に獲物を深く切り裂く役目を負っていた」ことを示唆する論文が発表されています(ただし、この説には多くの学者が反対の意見を唱えています)。

ティラノサウルスの切手

ティラノサウルスの切手

他の恐竜に比べて、両目は前面に向いています。立体的にものを見ることができる(獲物との距離や速度を正確に把握できる)ため、動く動物を捕らえるのに適していました。


ティラノサウルスの寿命と成長

見つかった化石-断面の成長線を調べることで、ティラノサウルスの寿命はおよそ30歳と推定されています。

ティラノサウルス・スーの全身骨格化石

ティラノサウルス・スーの全身骨格化石(2005年撮影)
愛称"スー"で呼ばれる個体は28歳で亡くなったことが明らかになっています

卵から孵ったときには、全長60cm、体重2kg。2歳になるころには、60%の個体が死亡しています。

ティラノサウルスの切手

ティラノサウルスの切手

また、2004年にはアメリカの研究チームが7体の標本を調べ、「ティラノサウルスの成長期は14-18歳で、この間には1日あたり2.1kg、4年で3000kgの成長をしていた」と結論づけました。

化石に残った跡から、「多くのティラノサウルスは30歳に近づくと、ケガをしていたり、関節の病気にかかっていたこと」が分かっています。


共食い

ティラノサウルス(ワイレックス)の尾(食いちぎられた跡)

ティラノサウルス(ワイレックス)の切れた尾(2017年撮影)

2002年に発見されたティラノサウルス(愛称ワイレックス(Wyrex))の尾は噛み砕かれたように切断され、 さらに、切断面に感染症の跡が確認されました。
切断されたところに感染症の跡が残っていることは、ワイレックスが生きている間に尾を噛み砕かれた可能性を示唆しています。 白亜紀後期に成長したティラノサウルスの尾を噛み砕くことのできる存在-やはり、ティラノサウルスによるものだと推測されています。

2010年には、ティラノサウルスの噛み跡が4箇所残る同じティラノサウルスの脚化石が発見されています。 ただし、こちらは生きている間につけられた傷なのか、死後に仲間に食べられた跡なのかは分かっていません。


羽毛についての論争

ティラノサウルスの切手

ティラノサウルスの切手

「ティラノサウルスに羽毛はあったのか。」

この論争に結論は出ていません。

ティラノサウルスと近縁の小型獣脚類ディロング等から羽毛の跡が見つかっていることから、 「体温調節の難しい小さな頃(幼体)には羽毛が生えていたのでは」 と考える説があります。 「身体が小さいときは体積に対する表面積が大きく体温を保つために羽毛に覆われているが、成長して身体が大きくなると体積に対する表面積が小さくなって熱を逃がすために羽毛はなくなった」と考えられたのです(コップのお湯は冷めやすいが、お風呂のお湯は冷めにくいのと同じ原理です)。

ティラノサウルスの切手

ティラノサウルスの頭骨化石

ティラノサウルスの頭骨化石(2009年撮影)

ところが近年、近縁とされる9m級の大型獣脚類の化石から羽毛の跡が見つかりました。 そのため成長したティラノサウルスにも羽毛があったと考える学者もいますが、2017年にはウロコで覆われていたとする論文も提出されています。 まだ、ティラノサウルスに羽毛があったのか否かの論争は続きそうです。

ティラノサウルスの切手

ティラノサウルスの切手


ティラノサウルスの切手・化石

ティラノサウルスの頭骨化石

ティラノサウルスの頭骨化石(2004年撮影)

ティラノサウルスの頭骨化石

ティラノサウルスの頭骨化石(2005年撮影)

ティラノサウルスの全身骨格化石

ティラノサウルスの全身骨格化石(2012年撮影)
ワンケル(Wankel)の愛称で呼ばれるティラノサウルスの骨格。1988年モンタナ州アンゲラに住むキャシー・ワンケルが、夫と釣りに出かけた際に発見しました。

ティラノサウルスの切手

ティラノサウルスの切手

ティラノサウルスの全身骨格化石

ティラノサウルスの全身骨格化石(2015年撮影)


ティラノサウルスの基本データ

学名(属名) Tyrannosaurus
名前の意味 暴君トカゲ
分類(分岐分類) 竜盤目・獣脚類(獣脚亜目・テタヌラ下目)
体長 約13m
食性 肉食
生息時期 白亜紀末期
下分類・種名 Tyrannosaurus rex
論文記載年 1905

 
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