スキピオニクス(Scipionyx)

基本データ

 

学名 (属名) Scipionyx
名前の意味 スキピオ(ローマ帝国の名将)の爪
分類 (分岐分類) 竜盤目・獣脚類  (獣脚亜目・コエルロサウルス類)
体長 約2メートル
食性 肉食
生息時期 白亜紀前期

 

特徴

 

スキピオニクスは、白亜紀前期のイタリアに生息していた恐竜です。発見された化石に羽毛の跡は残っていませんが、近縁種との比較から おそらく全身を羽毛で覆われていました。

「イタリアで発見された、初めての恐竜」として、1998年に公表されました。

スキピオニクスの全身平面化石

スキピオニクスの全身平面化石(2012年撮影)

 

現時点で発見された化石は1体のみですが、成体(大人)の化石ではなく産まれたばかりの幼体(生後数日くらい)の化石と推定されています。生後数日での体長は約50cm、大人(成体)では約2mになると考えられています。

 

 

化石に残された軟組織

 

発見されたスキピオニクス幼体の化石には、貴重な情報が詰まっています。
化石としては珍しく、筋組織、軟骨、内蔵の多くの構造がリン酸カリシウムと置換して保存されていたのです。

また、生後数日のスキピノニクスが食べたものの痕跡も 明確に残っています。
胃には5つの中足骨からなる幅3mmの中足、足首、尾椎が残されていました。体長15〜40cmのトカゲの可能性が高いそうです。十二指腸には別のトカゲの鱗の塊があり、更に下部には魚の椎骨が保存されていました。この魚の椎骨はニシン上目のものと考えられています。直腸にはアロワナ目の魚の皮膚を含む化石が残っており、残された成長線から このアロワナ目の魚は9歳だったと推定されています。

 

幼体の消化器官に残された化石から、2つのことが分かります。
1つは、素早いトカゲを追いかけたり水際の魚を捕るなど スキピオニクスは俊敏な動きをしていたこと。
もう1つは、「産まれたばかりの幼体が 自分より少し小さな獲物を自力で捕って食べた」とは考えにくく、親の世話があったことを示唆しています。

広範囲にわたって軟組織が残ったほぼ完全な化石は、2005年12月から2008年10月までイタリア・ミラノで集中的に研究が行われました。
恐竜の内臓の位置はおおまかな推定で行うことしかできませんが、それを知る貴重な標本になっています。